2007.11.12 Monday
第38回明治神宮野球大会・初日 2007.11.11.
明治神宮野球大会:開幕…高校は明豊、横浜など勝ち進む
雨のため順延となっていた第38回明治神宮野球大会が11日、神宮球場と同第2球場で開幕した。高校の部では、明豊(九州・大分)が19安打の猛攻で下関商(中国・山口)にコールド勝ちし、初出場対決を制した。5年ぶり出場の横浜(関東・神奈川)も初出場の関東一(東京)を投打に圧倒してベスト4に進んだ。 大学の部では、6月の大学選手権準優勝の東海大(関東第2)が東亜大(四国・中国)に競り勝って準々決勝進出。八戸大(北海道・東北)は関西国際大(関西第1)を破って4強入りした。 ◇横浜の作戦、序盤から奏功 「暴走気味でも、走ってチャンスを広げる」。横浜の作戦が、序盤から功を奏した。 一回1死。四死球で一、二塁とすると、二塁走者の倉本が大きくリードして三塁をうかがう。二、三塁間で挟まれつつも、かわして三塁に飛び込み盗塁成功。この間に、筒香も二盗。重盗で二、三塁と好機が広がったところで、土屋の内野ゴロが敵失を誘い、無安打で2点を先取した。 2点リードで迎えた四回にも、出塁すれば犠打や盗塁で得点圏に進塁。走者がたまったところで松本、小川健らが効果的に適時打を放ち、6点を挙げた。関東一のエース・松本は「スリーボールでも振るし、すきがあれば走ってくる」と、その積極性に舌を巻いた。 しかし、選手たちは満足していない。主将の小川健は「今日は相手のミスにも助けられた」。目指しているのは松坂を擁した97年以来の優勝。小川健は「(甲子園の春夏連覇、国体を含めて)10年前と同じ4連覇(4大会優勝)が目標」と言い切った。【水津聡子】 ○…初出場の明豊が打力で古豪・下関商を圧倒した。一回に金沢の右中間三塁打などで3点を先取すると、次々と得点を重ねて四回で12点。序盤から大量リードを奪い、19安打を浴びせてコールド勝ちで初戦を飾った。 注目を集めたのが「1番・投手」の今宮。打撃では6打数4安打。投手としては7回3分の1を3失点にまとめた。遊撃も守れるが「中学の時から1番・投手が多かったので違和感はない」と今宮。躍進のカギを握る異色の1年生エースだ。 ○…東海大が、03、04年連覇の東亜大に競り勝った。一回2死二塁から、東亜大の先発・深水のスライダーをうまく中越えに運んだ4番・加治前は「狙ってました」。 大学選手権は早大に敗れて準優勝。それだけに「最後のシーズンは、今までやってきたものを出し切りたい」との思いが強い。準々決勝では右腕・大場を擁する東洋大とぶつかる。大学選手権では勝っており、「春はいい感じで打てた。いつも通りに打席に立ちたい」と加治前。平常心での対決を強調していた。 ○…九産大は一回から打線が爆発。6連打を含む7安打で6点を奪い、主導権を握った。大久保監督は「あんなにつながることはリーグ戦でもなかった」とうれしい誤算に終始笑顔だった。 2点を先取してなお1死一塁から、真ん中低めの直球を2ランした5番・前田は「引っ張らないように心がけた。手応えは十分でした」とチームを乗せた一打を喜んだ。 12日は大学選手権覇者・早大との戦いが待つ。大久保監督は「ワンサイドにならないようについていきたい」と慎重だったが、前田は「斎藤君とぜひ、ぜひ対戦したい」と意欲満々だった。 ○…大学の部で唯一の初出場校、関西国際大が初戦で姿を消した。 1点先行された四回、1死満塁の好機で打順は好投を続けていた伊原に回った。リーグ戦はDH制。伊原は打撃が苦手だが、鈴木監督は代打を出さずスクイズのサイン。伊原は失敗し、後続も三振で無得点に終わった。 「代打を出しても良かったのかも……。采配(さいはい)の難しさを痛感した」と鈴木監督。ただ、「ようここ(全国大会)まで来た。特に4年生はほんまによう頑張りました」としみじみ。 03年に鈴木監督が就任した際は3部リーグ。今年は大学選手権、神宮大会に出場するなど1部リーグの強豪に成長した。鈴木監督は「伊原、榊原が4年生になる来年はもっと強くなる」。さらなるレベルアップに自信を見せた。 ○…高校の部…○ ▽1回戦 長野日大(北信越・長野) 200010020◆5 10001105×◆8 東北(東北・宮城) (長)上村−石川(東)萩野−関口▽本塁打 加藤(東) 明豊(九州・大分) 31350002◆14 00101040◆6 下関商(中国・山口) (八回コールド) (明)今宮、野口、今宮−阿部(下)島田、浜崎、亀永−岡田 ▽準々決勝 横浜(関東・神奈川) 2016500◆14 0100010◆2 関東一(東京) (七回コールド) (横)土屋、近江−小田(関)松本、大木、押久保−中村 ○…大学の部…○ ▽1回戦 大経大(関西第2) 010210003◆7 60000003×◆9 九産大(九州) (大)芦田、岡村、水谷、則直−奥山(九)黒岩、榎下、弘中−白川▽本塁打 山本和、木村皓(大)前田(九) 東亜大(四国・中国) 021010000◆4 21021000×◆6 東海大(関東第2) (亜)深水、今戸−吉野(海)杉本、中西−市川▽本塁打 加治前(海) ▽準々決勝 八戸大(北海道・東北) 010030000◆4 000000000◆0 関西国際大(関西第1) (八)桜田−片葺(関)伊原、榊原−森脇 毎日新聞 2007年11月11日 20時41分 (最終更新時間 11月11日 21時31分) |