2008.04.17 Thursday
阪神、広島に連勝 2008.4.16.
下柳が完投星…虎は4連勝で貯金10
デイリースポーツ - 2008/4/17 10:55 阪神5-1広島(16日、甲子園) どうよ、この強さは!阪神・下柳剛投手(39)が持ち味の粘りを見せ、自身3年ぶりの完投勝利で無傷の3連勝。チームは4連勝で球団史上初の開幕から6カード連続勝ち越し。4月の貯金10到達は76年以来32年ぶりだ。快進撃は一体どこまで続くのか。ともかく、胸を張って言える。無敵や! ◇ ◇ 球場にこだまする「ツヨシ」コールに背中を押された。照れを隠して「次はせぇへんぞ」と苦笑いしながら、渋々お立ち台に立った。「チームの流れがいいんで、足を引っ張らないように必死です」。下柳が05年10月5日以来3年ぶりの完投勝利で、開幕から6カード連続の勝ち越しという球団初の快挙を達成した。 ミリ単位に計算されたベテランの技で、バットの芯をことごとく外した。初回、アレックスに先制ソロを浴びたが、許した得点はこの1点のみ。その投球術は「熟練」、「老かい」といった言葉がよく似合う。さらに六回には、一死二、三塁の好機で右前適時打を放ち、プロ18年目にして初めてのマルチ安打で勝利を決定付けた。 12日の横浜戦。同級生の金本がプロ37人目の快挙、2000本安打を達成した。下柳は休養日にもかかわらず球場に足を運び、ベンチ裏で同級生の偉業を見届けた。8日の中日戦から、常に試合の最後まで残って記録達成を待ち構えていた。登板後の休養日でも、登板前日の試合でも、下柳の姿勢がブレることはなかった。 「きょうは打ってくれる」、「ホームランで決めてくれる」-。3戦連続ノーヒットが続いても、下柳は待ち続けた。「すごくないと2000本なんて打てない。刺激になるというか、本当によかったよな」。決して人目には姿を見せず、ベンチ裏でそっと祝福した。翌々日に開かれた祝賀会では選手を集め、幹事を務めて場を盛り上げた。下柳とはそういう男だ。 一昨年オフに手術した左ひじにも不安がなくなり、39歳にして今なお体は進化中。アンチエイジングの権威・京都府立医大の吉川敏一教授は、3月中旬に採血した結果が非常に良くなっていたことを明かし「疲れにくい体になっている。キャンプ前から、食生活とかいろいろ変えとるん違うかな」と説明。陰のたゆまぬ努力があってこその投球だったと解説した。 これでチームはホームゲームでは負けなしの7連勝。自身プロ18年目にして初めての無四球完投勝利で、リーグ優勝を果たした05年以来の開幕3連勝を達成した。「みんなのプレーが大きいんよ。いつも気持ちよく投げさせて頂いています」。男・下柳剛、39歳。まだまだ衰えることを知らない。 [ 2008/4/17 10:55 更新 ] |